グラヴィテーター220SFのインプレまとめ

グラヴィテーター220SFは、シマノが手掛ける革新的なグライドベイトです。特にビッグフィッシュをターゲットにした釣りにおいて、飛距離やキャスト精度の向上とともに、艶かしい左右へのグライドアクションを実現するために設計されています。このルアーの特徴的なポイントは、従来のジョイントベイトの概念を覆す「アーマブースト」という機構にあります。キャスト時にはボディが折りたたまれ、空気抵抗を大幅に削減しながら、遠投性能とアキュラシーを両立。着水後にはマグネットの作用でボディがしっかりと密着し、グライドアクションに最適化される構造を持っています。この二段階の可動域調整によって、狙ったポイントへの正確なキャストと、ターゲットを惹きつける独特なアクションを両立させました。

このルアーの開発は、グライドベイト特有の空気抵抗が生むキャスト時の課題を克服することから始まりました。その解決策として採用された新しいアーマブースト機構は、ジョイント部分の金属プレートを利用し、キャスト時とアクション時で可動域を切り替えるという画期的なアイデアです。この機構により、キャスト時の飛行姿勢が安定し、スライスのない精密なキャストが可能となりました。同時に、着水後はジョイント部分の動きが制限され、大きなグライドアクションを演出する設計が施されています。

さらに、グラヴィテーター220SFには釣りの状況に応じてカスタマイズ可能な多彩なパーツが付属しています。ロングフィンやショートフィンを交換することで、攻略可能なレンジを自由に調整することができ、ジョイントパッドを装着することでアクション幅を変化させることも可能です。また、専用設計されたテールパーツや替えパーツが付属しており、多様なアプローチを一つのルアーで試せる点も大きな魅力です。特に、背中のフィンを使った水深調節やアゴ部分にあるマルチアイの活用によって、より広範な状況に対応できる柔軟性を備えています。

また、カラーバリエーションも非常に豊富で、様々な水質や光量、ターゲットフィッシュに対応可能な選択肢が用意されています。リアルな自然感を演出する「ゴーストシャッド」や、視認性とアピール力を兼ね備えた「チャートホワイト」、濁り水で効果を発揮する「クロキンスパークHM」など、それぞれのカラーが特定の釣り場や条件に合わせた役割を果たします。これにより、アングラーは状況に応じて最適なカラーを選ぶことが可能です。

このグライドベイトは国内外での厳しいフィールドテストを経て開発されました。特に日本のタフなバスフィッシングフィールドや、海外での大型魚種を狙うシーンでもその実力を発揮しています。付属パーツを駆使して、一つのルアーで多彩な戦略を実現できるため、遠征や荷物が限られる釣行時には特に頼りになるアイテムです。

グラヴィテーター220SFは、ただのルアーではなく、釣りの可能性を広げるツールとして位置づけられています。その革新的な設計と高いカスタマイズ性によって、アングラーが求める釣りの理想を形にする、まさに次世代のグライドベイトと言えるでしょう。